ぱぱとままになるまえに

【西出博美まえがき】「かけがえのなさ」を目の当たりにして。

出会いから語ってしまうと、とんでもなく長い文章になってしまいそうなので、そこは泣く泣く割愛するのだが、とにかく、出会った頃から、けいちゃんとは、いっしょにいて楽しくて、少し言葉足らずでも、すんなり考えていることが理解してもらえる感じがあった。

逆にわたしも、勝手に、けいちゃんのことをわかっているような気でもいる、そんな仲。

言葉を超える関係ってあるんだな、と感じながらも、今、言葉にしようとしているんだから、難しいな、と思っています。

ひとことで表現すると、きっと「波長が合う」なんだろうけれど。
それだと、なんだかもったいない気もしていて。

20歳のけいちゃんと、22歳だったわたしをつなげたのは、当時、まだまだ取り組みの少なかった「サドベリー教育」。
あの頃は言葉になっていなかったけれど、きっとどこかで、子どもに対して「余計なことはしないこと」や、「信頼すること」「任せてみること」あたりの根底の価値観が共鳴していたのだな、と今になって思います。

けいちゃんから「結婚し、妊娠をしたよ」という連絡をもらい、会おうとしていた矢先、おなかの中の赤ちゃんと、けいちゃんが検査入院する連絡をもらいました。
そして次の連絡ではもう、「妊娠を諦める選択肢もある」とお医者さんに告げられました、という内容。

・ ・ ・

いろんな人の意見や思いを聞いて迷っているけいちゃんの様子を聞きながら、周りはいろいろ言うかもしれないけれど、「けいちゃんはどうしたいのか」。一番大事にしたらいいのは、そこだと思いました。そのときの赤ちゃんは、けいちゃんと一心同体だったから。

相談に乗りながら、これまでに出会ったいろんな家族のことや、こんな相談機関もあるよ、こんな情報もあるよ、と伝えたけれど、それらを送りながらも、助けになるような、ならないような…。けいちゃん家族は、唯一無二。どこにも当てはまらないんだよな、と感じていました。

だから、ただただけいちゃん家族の歩みをそっと教えてもらいながら、“その時”を待って過ごしていました。

管理入院をし、予定より少し早めのお産に戸惑いはあったけれど、お医者さんに「いいお産でしたね」と声をかけてもらい、うれしかった、という連絡をもらったとき、ああ、ほんとうによかったなぁと思ったのでした。

(写真:村橋恵さん提供)

コロナもあり、なかなか会えずにいたのですが、先日、やっと、けいちゃんと赤ちゃんに会えました。

抱っこさせてもらいながら、赤ちゃん、かわいい〜〜〜の気持ちが止まらない。笑
言葉ではなくて“交信”をする赤ちゃんの感じに、懐かしさを抱きました。(6歳のむすこにも、こんなときがあったなぁ…。)

悩んだり、苦しかったり、いろいろあったけれど、けいちゃんの決断は、この子の命を守ったんだなぁという、「守られた命と、2人が居るその光景」を目の当たりすることができたとき、この瞬間のかけがえのなさを感じながら、2人の姿を見ることができて、本当によかったなぁと思ったのでした。

唯一無二。替えのきかない、それぞれの家族の姿。

やっぱり、わたしにとって、ひとりひとりの人が、「家族」になっていくその過程は、興味が尽きず、目が離せない。

“よく聞くハナシ”じゃなくて、“この人にしか語れない”ことが、どの人の中にも存在していて、魅力がある。そう思います。

今回の「ぱぱままっぷ」
お話を聞かせていただくのは、村橋(旧姓:市川)恵さんです。

今回、はじめてオンラインでインタビューの様子を公開しよう!と思っています。

その場、その人たちがいるからこその中でしか言葉にならないこともあると思っています。
この「まえがき」を読んで心が動いた方、お時間の合うのご参加(どなたでも◎)お待ちしております。

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【日時】
2022年12月17日(土)10:00-12:00(9:50〜開場)

【参加費】
・「ぱぱまま」会員ではない方:500円(税込)
・「ぱぱまま」の会員の方:無料でご参加いただけます(^^)

▼お申し込みは、お手数ですが、こちらからお願いいたします。

「ぱぱとままになるまえに」公開オンラインインタビュー
https://papamamap-interview1.peatix.com/
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